【完全に乗り遅れ感】StarNet++を使ってみた

目次

  1. 1. あいさつ
  2. 2. 実際に使ってみて
  3. 3. 結果

あいさつ

こんにちは.

大学院での授業の課題等に追われて天体写真関係はほとんど追えていなかったのですが,久々に界隈を眺めていたところどうやらStarNet++というソフトウェアが話題になってるっぽいので,自分も使ってみました.
昨日の今日でこの記事を書いているので,本当に最初の最初の感想という感じです.

実際に使ってみて

使い方自体は他の人がわかりやすい記事や動画を上げてくださっているのでそこに任せるとして,いくつか気になったこととしては(他の人も触れていることですが)CUIというのは今どき珍しい感がありますね.天体写真やっている方々が使うのにはそこまで抵抗はないと考えますし,もしかしたらツールとしてはまだ黎明期で,大衆的な実用段階ではないのかなあとも考えたりします.
それから,今のところgithubにはPythonのソースコードしか載っていない(自分は致命的にPythonのコードが読めない)のでよくわからなかったのですが,GPUを使った実装はされているのかなあと思いました.自分のノートパソコンで(C++による版を)実行したところかなり時間がかかったので,GPU使ったらもうちょい早くなるんじゃないかなあと思ったりします(C++のソースを読んでみないと実際に使ってるかどうかはわかりません).
もう一点,画像生成にはGANを使っているということで(最初普通に教師ありでやってると思ってたので教師データはどう用意していたのかが気になっていたのですがその部分については解消です,(2019.08.05 追記:友人に相談したところGANもネットワーク初期化段階で教師データは存在しているそうです)ちなみにディープラーニングについては私は全くの素人です),そこまではいいのですが,仮にGANを使うにしても,少なくとも識別側はGround Truthを用意しているはず(githubにもGround Truthとの比較が示されている)で,そのGround Truthはどっからやってきたのかが気になりました.仮に用意するにしても,光学系によっていろいろ結果は変わってくるはずで,何をもってGround Truthをしているのかという出自の部分が曖昧だなあというふうに感じました(私の読みが甘いだけかもしれないので,ご存じの方がいたらご教授いただければ幸いです).

結果

以下に簡単に結果を示しておきます.

元画像
元画像

StarNet++による処理結果
StarNet++による処理結果

上二枚に基づきよしなに処理
上二枚に基づきよしなに処理

実際に使ってみて結果画像を開いてみて最初に思ったこととしては,「Psで『明るさの最小値』を使った時に結果として出てくるものと似てるなあ…」ということです.
ということで実際にやってみたところ…。

Photoshop「明るさの最小値」ピクセルサイズ1.5
Photoshop「明るさの最小値」ピクセルサイズ1.5

StarNet++による処理結果
StarNet++による処理結果

二枚の差分
二枚の差分

…結構似てます?
違いとしては星雲がStarNet++の方が星雲が明るくなめらかである(おそらくGround Truthがなめらかでありそこに合わせようとしている)ことと,輝星がしっかり消されていて星雲だけを出力できていること,くらいでしょうか.

簡単にまとめると,私の処理では時間がとてもかかるので,星雲を破綻なしに強調し,かつハイクオリティなものを求めるなら良いかもしれませんが,とりあえずざっくり処理してみたい時にはあまり向かないかなあという印象です(マシンパワーがあればいいかもしれませんが).また,ディープラーニングは流行っていますが,あまりブラックボックスすぎるものは個人的には(自分が勉強するまでは)あまり使わないかな,とも思っています(それでも面白い結果が得られそうなら使ってしまいそうですけどね).githubにいくつかリファレンスの論文が載っていますので,時間があれば読んでみようと思います.それでは.